栄養補助食品だけに頼るのはNG

ダイエットなどの理由で、食事の代わうに栄養補助食品をとっている人をたまに見かけます。

栄養補助食品は、カロリーの調整をしやすいだけでなく、ビタミンやミネラルを適度に含んでいるため、 一見すると栄養バランスもよさそうです。

しかし、栄養食品で栄養が本当にとれると考えるのは、大きな間違いです。その証拠に、三度の食事として栄養補助食品を毎日とると、ほんの数日で、体調を崩してしまいます。

当たり前のことですが、栄養補助食品にはたんぱく質やビタミン、ミネラルが含まれていますし、適度にカロリーもありますが、それはあくまで栄養を補助する食品にすぎません。

私たちがとる食事には、はるかに多くの栄養成分が含まれており、そのような食べ物で代替できるものではないのです。

炭水化物を、栄養補助食品に切り替えて「栄養補助食品を食べました」といわれてもカウントのしようがありません。

つまり、栄養補助食品は、完璧ではありません。

食べるという私たちの概念は、すでに述べた飽食によって、食事をすることと、栄養
補助食品を食べることとの境界線をきわめて曖味にしてしまいました。

栄養補給、運動の水分補給、サプリメントなど、目的別に細分化された食品が次々に現れ、本来の目的の垣根を越えて私たちの食卓に押し寄せています。

その結果、私たちは食事というものの全体像に目を向けなくなり、食と健康との結びつきを軽視しつづけています。

私は、栄養補助食品を否定しているのではありません。どうしても食事をとれないときは、それを食べた方がいいに決まっています。

非常食として捉えれば、乾パンようもはるかに豊富に栄養をとることができるでしょう。

ですが、栄養補助食品は、食事のお皿に載るものではありません。

たとえば、スポーツジムに行く前などにしっかりした夕食をとることができなければ、コンビニでおにぎりを買って食べた方がはるかに食事らしいものになります。

それなら、第一の炭水化物のお皿に載せてカウントすることができ、そのときに不足するものを朝食と昼食でとるようにと、逆算して計画も立てられます。

また、おにぎりでいいなら菓子パンでもいいだろうと考えて、コンビニで菓子パンを買って食べようとする人がいるかもしれませんが、これはNGです。

菓子パンというのは、いわばお菓子です。お菓子が食事の代わりになるはずはありません。

私たちは、食事と栄養補助食品(あるいはお菓子)の間に改めて垣根をつくり、その垣根によって健康を維持することを覚えていかなければならないということです。

肝臓に負担をかけない食事をめざす

ご存じのように、肝臓はとても大切な臓器です。

ノルマンディー上陸作戦を描いたスピルバーグ監督の映画『プライベート・ライアン』の中に、腹部に銃弾を受けた衛生兵が「ちくしょう、肝臓をやられた。もう駄目だ」とつぶやくシーンがあります。

肝臓は心臓とともに人間の急所なのですが、衛生兵が自分の傷を見て、冷静に致命傷
であると独自するところに、死というものの圧倒的なリアリティを感じた記憶がありま
す。

臓器が死ねば人間も死ぬ、それは決しておおげさではありません。心臓の調子がおかしくなれば、私たちはびっくりして病院に駆け込むはずです。その意味で、心臓は私たちに隠しごとをしようとはしません。

ところが、肝臓は、たとえ調子が悪くなったとしても、私たちに何も知らせてはくれません。何か異変が起こっても、自覚症状がまったく出ないのです。

肝臓が重苦しいとか痛みが出たときは、もはや手遅れで、肝硬変や肝がんなどの病気が進行しています。

このように、肝臓は「もう駄目だ」というときまで、何ひとつ文句をいわずに働きつづけます

擬人化して捉えるのは馬鹿げたことかもしれませんが、肝臓という臓器について学んだとき、私は何かとてっもなく潔い人物に出会ったような気持ちになりました。

大事にしてあげなくちゃ、と感じたわけです。

肝臓の大敵は、言うまでもなく暴飲暴食です。肝臓はその成分がたんぱく質で出来ているので、健康な状態を保つためには、肝細胞の再生のために必要な栄養素・・・つまり質の良いタンパク質が必要不可欠です。

お酒を飲んでいる最中もそうですが、飲んだ後、つまり翌日の朝食や昼食でもそれが必要でしょう。

居酒屋で枝豆や冷ややっこをつまみに、翌朝は簡単に卵かけごはんをいただいてもよいでしょう。「ヘルシーに―」と言ってお酒と野菜だけというのはかえってヘルシーではないのです。

とはいえ、飲む、飲まないにかかわらず、毎食のたんぱく質の適量はこぶしの大きさくらい、と覚えておいてください。

良質なたんぱく質が含まれている食事は、それ自体が肝臓に負担をかけない食事といえます。

肝細胞の再生がうまくいっていれば、疲れにくい身体をつくり、だるさが自然に消えて、やる気が出てきます。

同時に、良質なたんぱく質にはビタミンB群が豊富に含まれています。

ビタミンB群は肉体疲労や精神疲労の回復にも有効ですから、肝臓に負担をかけない食事をとるように心がけることは、いわばオールマイティの食事をとることにもなります。

肝臓を意識した食事をとることは、仕事ができる人になるための、とても重要な食事のルールのひとつなのです。